先週のここで,
“…とにかく,大好きな電車のひとつだったから.”
と記した,営団地下鉄丸ノ内線の500形電車.
 なんというタイミングだろうか.今日のお昼,東京地下鉄から,“アルゼンチン共和国ブエノスアイレスで活躍した丸ノ内線旧500形車両が約20年ぶりに東京に里帰りします!”という報道発表があった.
 この,あまりのタイミングのよさにびっくりして,定例の木曜日を逸脱し,今日のうちに,皆さんにこのニュースをお伝えする次第.

我がとれいんでは譲渡から間もない頃に,いち早く情報欄でニュースを掲載しているほか,平成26/2014年11月号(通巻479号)で,嶋野崇文さんによる現地レポート,“1万8千km彼方の電車たち ブエノスアイレス鉄道&模型めぐり 第1回 地下鉄編”をお届けしているので,ここの読者なら,丸ノ内線電車の彼の地での活躍ぶりは,よくご存じのことと思う.
ブエノスアイレスで活躍中の500形車両
ブエノスアイレスルで活躍中の元営団地下鉄500形.かなり汚れてはいるものの,驚くほどに原形を止めている.写真:東京地下鉄

東京地下鉄では,以前にも他社線に譲渡した車輛を里帰りさせている.
 それは長野からの3000系トップナンバー2輛.営団地下鉄最初のステンレス車としての歴史的価値が評価されての保存である.残念ながら,まだちゃんとした写真を撮影できないでいるのだけれど,技術継承を兼ねての復元整備が行なわれ,車庫内では走行可能な状態で保存されている.
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千代田線16000系の新車取材の折にスナップした3001.綾瀬検車区 平成22/2010年8月31日

今回の里帰りは,今年の春ごろだっただろうか,現地から,“風の便り”が聞こえてきたことがある.その時には,時期こそ不明だったものの数は4輛で動態保存を目指す…などと,妙にリアリティに富んだ情報だった.

それから半年近くを経て,ようやく真実が明らかになったわけだけれど,報道発表資料のほかに追加取材したところ,数は4輛であり,動態保存を目指すということが明らかになった.車号は584,734,752,771.
 当面は中野工場で整備復元工事を行ない,少なくとも構内での運転が可能なレベルまでの整備を目指しているという.
営団(東京メトロ)時代の500形車両
今回里帰りした4輛のうちの1輛,771.方南町支線専用となっていた,現役最終期の姿.写真:東京地下鉄

これら4輛のスケジュールだが,7月11日に横浜の大黒埠頭に到着したことは,報道発表資料で明らかにされている.
大黒ふ頭に到着した500形車両
韓国籍の車輛運搬用貨物船“ASIAN EMPIRE”から上陸する500形.中野工場まではトレーラーによる陸送によるわけだが,どのようなルートが採られるのだろうか.写真:東京地下鉄

鉄道車輛の陸送は,基本的には深夜時間帯にだけ認められる.また,方向転換などが容易で他の交通の支障が最小限に抑えることが可能なルートということになる.
 陸送の日程は明らかにされていないが,報道発表が行なわれたわけだから,極く近いうち,というのは間違いない.

今後,どのようなスケジュールで,どのレベルまで整備が行なわれるのか.
 里帰りの数が1輛や2輛ではなく4輛という点から,車庫内での走行可能状態に止まらず,本線への復帰も大いに期待したい….というのは,これから走行電圧の変更や信号・列車制御システムの刷新に取り掛かると発表されたばかりの丸ノ内線では,“妄想”が過ぎることだろうか.