■C53 45復元から50年 ■京阪宇治川のおとぎ電車 ■中国遼寧省の煙(1)
昭和36/1961年8月,国鉄鷹取工場で1輛の
蒸気機関車が復元されました.その機関車はC53
45.鉄道省では国産唯一の3気筒機関車として昭和初期の東海道・山陽本線で名を馳せた大型機です.翌年の鉄道開業90周年記念事業の一環としての大阪交
通科学館での展示機として,現地までの回送を自力で,というのが目的でした.しかし,この復元工事と運転こそが,我が国での文化財的事業としては初めての
蒸気機関車復元工事だったのです.折りしもC61 20が復活する今年,50年前の記録と周辺の人々の関りを振り返ってみました.
同じ頃,わず
か10年という短い歴史を閉じた軽鉄道が京都宇治にありました.京阪電鉄宇治川遊園のおとぎ電車がそれです.ダム建設工事のための軌道や機関車を活用し,
宇治川の渓谷を愛でるための遊覧列車として走ったこの列車ですが,その全容は永らく謎のベールに包まれていました.多数の図面や写真に加え,当時の技術者
からの聞き取り調査によって,今回初めて,その大部分が明らかにされました.
中国の蒸気機関車は,遼寧省に残る煙を追います.今回はその第1回.阜新炭砿です.
2011年4月21日(木)発売
定価:3,960円(本体3,600円)