先月(2月中旬)急行能登のお名残乗車のために富山を訪れました.
せっかく富山まで行ったので,2日間かけて富山の鉄道を乗りつくしてきました.
 北陸訪問は今回で2度目で,前回(2006年訪問)はJRを中心に乗りつぶしをしていました.北陸フリー切符を使い,フリーエリアはすべて乗りつくしてしまったので,今回は私鉄,路面電車中心に回ってきました.
 富山は路面電車の宝庫です.富山駅南側には大正時代に富山電気軌道として開業した,富山地方鉄道富山軌道線.駅北側にはJR富山港線から引き継ぎ,2006年に誕生した富山ライトレール.高岡には加越能鉄道を引き継いで2001年に誕生した万葉線が走っています.いずれも新潟トランシスの超低床車輛が導入されており,それぞれセントラム,ポートラム,アイトラムの愛称を持ち市民に親しまれています.

今回は上記2つの路面電車と,バス,船を乗り継いで,富山〜高岡を移動できる「万葉線・富山ライトレール回遊ルート」の乗車ルポです.もちろん高岡側からも回遊できます.

1.富山ライトレール「ポートラム」(PORTRAM).車体の色は全部で7種類.地元の高校生の間では赤の車両を見ると恋が叶うといわれているとか…… 2.岩瀬浜駅で出発を待つ新港東口・ライトレール接続線.3.県営の渡し船  越の潟フェリー 堀岡発着場 4.万葉線 越ノ潟駅に停車中の「アイトラム」(AI-TRAM)
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富山ライトレールの終点,岩瀬浜駅とフェリーの乗船口の新港東口を往復するバスが土日・祝日のみの運行なのと,1日3往復しかないため,このバスの時刻を中心に計画を立てることになります.
  実はこのルートを知ったのは,出かける直前だったのですが,各路線の時刻をインターネットから調べ出すのにけっこう時間がかかってしまいました.(こうい う準備が旅の楽しみの一つでもあるのですが…)しかもバスが(土日・祝)のみというのを最初見落としていて,あやうく金曜日に訪れるところでした.
  土日・祝日のみ回遊可能ということは,観光客向けに設定されていると思いますが,2つのライトレールを効率よく,しかもいろいろな乗り物に乗りながら,訪 問できるのは,乗り物好きにはもってこいのお勧めルートです.富山ライトレールと万葉線は15分ヘッドで運行されているので,バスの時間さえ気を配れば, 途中下車しながらゆっくり回るのもいいでしょう.
 実際乗ってみると,万葉線の車内や,駅の掲示板に上のチラシが掲示してあったので,地元の方にはよく知られているようでした.

1.富山ライトレール  富山駅北〜岩瀬浜 200円  24分
2.新港東口・ライトレール接続線(バス) 岩瀬浜〜新港東口 500円 25分
3.富山県営渡船(越の潟フェリー)  堀岡〜越の潟 無料 5分 
4.万葉線 越の潟〜高岡 350円 42分

各路線の時刻表は以下をご覧下さい.(県営フェリーの時刻は,万葉線のサイトに掲載されています)
 富山ライトレール株式会社
   http://www.t-lr.co.jp/
 射水市コミュニティーバス
   http://www.city.imizu.toyama.jp/combus/
 万葉線株式会社
   http://www1.coralnet.or.jp/manyosen/

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岩瀬浜駅発10:30のバスに合わせて,富山駅北を9時に出発.
奥田中学校前を過ぎて,専用軌道に入ると途端にスピードが上がり,遊園地のアトラクションに乗っている気分.メーターを見たら60km/h出ていました!
 終点岩瀬浜では1時間ほど時間があったので,北前船が盛んだったころに出来た古い街並みが立ち並ぶ岩瀬地区を少し散策してきました.

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岩瀬浜からはバスで県営フェリー乗り場まで.約25分の乗車です.発車してすぐ,ライトレールと10秒くらい併走しました(競争しているかのよう!!) こ の日は土曜日でしたが,乗客は私だけで,途中から乗車してくる人もおらず,信号待ち以外はノンストップでひたすら走り続けました.

このバス は一部,富山地方鉄道射水線の廃線跡を走ります.射水線の一部区間は万葉線として残っていますが,昭和41年,富山新港の開削により分断されてしまいまし た.分断される前は陸続きで,富山〜高岡間の直通電車も走っていたのです.その後昭和55年に廃線となってしまいました.

さて,お次はこのルート一番のハイライト.富山新港を横切る県営フェリーに乗船です.このフェリーはなんと無料.しかも自転車やバイクといっしょに乗船することができるので,地元の方もよく利用しているようです.新港東口バス停と県営フェリー乗り場はすぐ隣です.
 乗船時間はわずか5分ほどですが.きもちの良い船旅でした.出発したときは,どちらの方向へ行くのかわからなかったのですが,越の潟に着岸してみて,初めて距離がわかりました.対岸の乗船場は目視できるほどの近距離でした.

富山新港周辺の2万5千分の1地形図はこちらをごらんください
国土地理院地図閲覧サービス(ウォッちず)のサイト内に移動します)

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只今富山新港には巨大な臨港道路富山新港東西線を建設中.平成14年の秋着工の大工事です.車だけでなく,自転車歩行車道もある2層構造となるそうです.この橋が完成したら,県営フェリーは無くなってしまうのでしょうか?

フェリーを降りたらお次は万葉線です.越ノ潟から高岡までは乗車時間42分.4つの乗り物の中では一番乗車時間が長いです.今回は庄川口で降りて,庄川口〜六渡寺間に架かる庄川鉄橋を渡る万葉線を撮影していました.
 
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1級河川,庄川を渡る万葉線のもう一つの顔 7070形「アニマル電車」.正面は猫の顔がかいてあり,側面には十二支が描かれている個性的な車輛です.

な お.万葉線に土日・祝日に乗車すると.沿線の射水市出身である落語家.立川志の輔さんの声による車内アナウンスが流れます.富山弁を交えながら,駅や,沿 線の観光案内を楽しく案内してくれるので大変勉強になります.立川志の輔さんが卒業した高校の側を電車が通過するときも説明があったりと,興味深いです. アナウンスを聞いていると,思わず全駅で途中下車したくなってしまいます.
 あいにく,鉄橋の撮影後に大雨が降ってきて,おとなしく高岡まで乗車しました.
最後は高岡大仏をお参りして締めくくりとなりました.
 高岡からJR線で富山に戻ってきたのは14時頃でした.途中下車を何度もする場合は富山ライトレールと万葉線にフリー切符も設定されてるので,1日がかりで回れば「富山」をたっぷり味わえる旅行になるでしょう!