みなさま.レイル69号 仙山線物語 はもうお読みいただけましたでしょうか.この本の編集されるまでの経緯,内容の紹介については先月の前里のブログをお読み頂くとして,私の仙山線の思い出話を少し……
今回レイルの制作で沢山のモノクロ写真の補正をしていて,心を奪われてしまったのが28ページの柏木璋一さんの山寺駅俯瞰の写真です.昭和29年の撮影で
すが,現在とあまり変わっていない!!というのが驚きでした,とくに駅舎の形やホーム上の建物の位置,駅前の様子,また駅の向こう側の斜面に広がる畑など
も・・・

立石寺から望遠レンズで撮影した,山寺駅とその周辺の様子.46年前の風景とどう変わっているでしょうか.平成12/2000年7月2日
実
は,仙山線に3度も乗り通したことがあるのですが,そのうち2回は山寺で下車して立石寺にお参りしています.今まで訪れたことがないところを中心にいつも
計画を立てる私が,2度も同じ場所に行くというのはやっぱり,なにか引きつけられるものがあるからなのだと思います.新幹線を使えば日帰りできるという気
軽さもあるかとは思いますが……
最初に訪れたのは平成12年の7月2日でした.当時どのような行程だったかメモを見返してみたら,仙台から快速
仙山1号で9時03分に山寺に到着して,10時34分の仙山3号で山寺を出発し,山形に出ていました.1時間半で山寺を登って降りてきたことになるのです
が,最初なので上までどのくらい時間がかかるか予測がつかず,とにかくがむしゃらに1000段以上あるという石段を登ったのを覚えています.下山してくる
方から「あともう少しだよ! 頑張って!」と声をかけられながら,心拍数がどんどん上がっていき,滝のように汗をかきながら登りつめました.
五大堂にたどり着いて眼下を見下ろすと,あまりの絶景に涙で景色がかすんでしまい,その場にしばし座り込んでしまいました.
帰りはゆっくりと名物の「力こんにゃく」を食べながら,松尾芭蕉が「閑かさや岩にしみ入蝉の声」を詠んだのもちょうどこの頃なんだなぁと思いながら,蝉の声は聞こえるか耳をすませながら下山したのでした.
そ れ以来この景色はいつも心のよりどころというか,大好きな日本の風景の一つです.苦労して登ったからこそ見られる景色は,癖になる「眺め」とでもいいま しょうか.もちろんその景色の中に「鉄道」があるからというのも理由の一つですが...何度でも訪れたくなってしまう場所です.
2度目の山
寺訪問は平成17年の10月でした.未乗車である陸羽東線と左沢線の乗りつぶし旅行を計画していたのですが,行程に山寺を入れたのはほんの数日前だったと
思います.なんだかあの景色が「呼んで」いるような気がしたんですね…….
紅葉には少し早かったのですがその時は時間をたっぷり取って,前回行かれなかった奥の院まできちんとお参りして帰ってきました.
この文章を書くために写真を出して見ていたら,また行きたくなってしまいました.今度は雪の山寺を見てみたいなぁ.

立石寺五大堂からの眺望.立谷川の鉄橋を列車が渡ろうとしている.直前まで雨が降っていて,山間から沸きあがる霧が幻想的でした. 平成17/2005年10月23日
今回のレイル69号がみなさまのそれぞれの仙山線の想い出の再確認・再発見につながればいいなと願っています.一人でも多くの方にお読み頂きたいと思います.
