汐留の旧新橋停車場 鉄道歴史展示室にて,開館10周年を記念した企画展「情景作家─昭和のミニチュア」が4月2日から開催されています.案内をいただき,さっそく伺ってきました.(撮影:松本まさとし/写真は許可を得て撮影)
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実物の資料,歴史をテーマとした企画展示が多い同館としては,模型ジオラマの企画展は初めてとのこと.ドールハウスやジオラマ作家など各分野で活躍するモデ ラーの作品が集められていますが,我々鉄道模型の分野で何といっても目が離せないのは,かつて鉄道模型趣味誌で発表された坂本 衛さんの「摂津鉄道」がはるばる東京までやって来たことです!
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会場奥の展示台に鎮座した二つのモジュール“蔵本村”と“倉本駅”.製作・発表から40数年を経た伝説のモジュールですが,今でも全く陳腐に見えない見事な 構成には感動を覚えます.少し以前に,押入れから引っ張りだされ,水をかけて(!)埃を払われたそうなのですが,当時のことで地面や建物はほぼ全て油性 ラッカーで彩色されているため,ほとんどダメージはなかったそうです.
 モジュールの傍らには坂本さんご自身による大阪人らしいユーモアを交えた略歴や,模型製作のコンセプトが楽しく紹介されていました.
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こちらはお馴染み諸星昭弘氏の新作.“昭和”のテーマに諸星流アレンジを加えた結果,ジオラマが電球やブラウン管の中に飛び込んでしまいました.密閉された空間でしっかり市電や屋上遊園地が動いていて,どうやって作ったのか,見るほどにナゾは深まるばかり…
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入口付近には,今回の企画展を監修した「さかつうギャラリー」坂本憲二氏の手によるOスケールの茅葺き農家が飾られています.販売目的でない純粋作品としては数十年ぶりの作だそうですが,米国のバスウッドキットなど,古今東西のストラクチャー素材に精通した同氏らしいこだわりが随所に見られる,密度の高い作品に仕上がっています.
 企画展の会期は7月21日(日)まで.途中展示替えもあるそうなので,是非足を運んでみてください.なお展示作品はとれいん5月号でも詳細にリポートします.図録の読者プレゼントもあるので,どうぞお楽しみに!

旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
〒105-0021
東京都港区東新橋1-5-3
TEL:03-3572-1872
開館時間 10:00〜17:00(入館は閉館の15分前まで)
休館日 月曜日(祝祭日の場合は開館,翌日休館)