先週の週末は,東京蒲田で“第31回鉄道模型ショウ(主催:日本鉄道模型連合会)”,いわゆる“鉄模連ショウ”が開催された.あいにくの,台風接近という悪条件にもかかわらず,10時に開場という予定が,30分も繰り上て9時半オープンという盛況ぶり.広い会場内が朝一番からごった返すこととなった.
 まずは各出展メーカーのみなさんにご挨拶と,場内を一周しはじめたのだけれど,なかなかはかどらない.一ヵ所を終えて次へ向かう……途中で,遠来の,久し振りの,そしていつもお世話になっているお客様から声が掛かってストップの連続.
 結局,最初の一周を終えると,もうお昼前.当社販売ブースの“昼食時代替要員”という任務を果たし終えたら,もう1時半すぎだった.
 結局,会場の出品物をじっくりと見ることができたのは,午後のほんの数時間に過ぎなかった.そんな,慌ただしい中で,僕なりに印象に残った新製品旧製品をいくつかご紹介する次第.詳報は今月発売の本誌を楽しみにお待ち願いたい.

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最初は“旧製品”.トラムウェイの ブースで展示販売されていた木造電車はPEの“TEN”.PEっていってもプレス・アイゼンバーンではなくてパシフィック・エレクトリック.ロスアンゼル スのインターバンである.大阪のツカサ模型やツバメヤ模型店,のちには勧進元のつぼみ堂模型店に通って,いくつものバリエーションを買い求めたことを思い 出してしまった.1輛30,000円のこの製品で目新しかったのは,ちゃんとラベルまで貼られた,サイダム社(米国のインポーター名)の元箱だったりす る.僕が買った時には,単なるボール紙の箱だったり,場合によってはその箱すらなかったりしたものだから.

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ここからは新製品.日光モデルの DT22,13ミリゲージバージョン.なにが凄いって,枕バネのコイルの断面がちゃんと丸くなっていること.その受けは,側枠から分離しているし.世の 中,どんどん進化していのである.16番仕様は昨年のうちに発売されているとはいうものの,ファインスケール仕様の登場は嬉しい限り.ということで,あえ て上から見た写真を掲載.1輛分2,730円.

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見慣れないメーカー名AOBA MODEL. 展示されていたのは,なんとも特異な西武鉄道の貨車.昭和20年代に当社事務所からほど近い“西武市場”駅から郊外に向けて糞尿を輸送していたというト 31形.真鍮製キットが1輛12,000円というのは,微妙な価格だけれど,いっそのこと,10輛ぐらいを連ねてE51やE61,E71などの輸入電機に 牽かせてみたくなる存在ではある.ちなみにこのAOBA MODELのオーナーである滝澤隆久さんは,ご同業の出版社N社を“卒業”したばかりの,ベテランファンである.

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しんがりは,異色の新企画.Oスケールのイタリア国鉄“セッテベロ”.クマタ貿易の 自主企画だが,実はその前にフランス国鉄のTGV-POS,ドイツ鉄道のICE-3を進行中とか.欧州での窓口はスイスのインポーターが務めることになっ ている.しかし,各鉄道との商品化許諾契約などは,すべてクマタ貿易が自分で行なうとのこと.成り行きに大いに注目したい.