東京の空の玄関口羽田空港.国際線の大部分が成田に移動してから何年経つだろうか…….記憶を辿ってみれば,昭和53/1978年の秋にトルコへ行った時が僕の最初の成田体験だったように思う.もっともその後,昭和56/1981年の訪米に際しては,出発こそ成田だったものの,帰国便は羽田到着の中華航空だったが.
 ということは,成田は30年以上も“日本の空の玄関口”の役割を担ってきたということになる.既に充分な歴史と実績を有しているわけだが,正直なところ,遠い.
 この7月には“成田スカイアクセス”が開業して,京成経由ならば,大幅に所要時間が短縮された.これで懸案の“成田-羽田間直通列車”が頻繁に運転されるようになれば,国際線と国内線との連絡事情は,かなり改善されることになるのだが.
 とはいえ,特に近隣諸国への旅立ちには羽田が便利であることに,間違いない.ということで建設されたのが,新しい国際線ターミナルビルというわけである.

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これまでの国内線ターミナルビルと,新しい国際線ターミナルビルとの位置関係.おおざっぱにいえば,沖合い移転する以前のターミナルビル付近に,新しいビルが建設されたということになるのだろうか.

この新しいターミナルビル,10月21日にオープンの予定とのことだが,報道関係者には8月の2日に公開された.僕がこの公開に参加した主目的は,いうまでもなく京急電鉄と東京モノレールの新しい駅を観察すること.それは本誌の今月号“いちぶんのいち情報室”で紹介している.
 このブログでは,情報室に掲載できなかった,でも僕が興味を持ったことがらを,いくつか紹介してみようという次第.

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空港ビルが用意する“スカイラウンジ”.これから搭乗する飛行機を存分に眺めることができる.“飛行機を見せる”工夫は随所に見られた.鉄道の駅に,そのような配慮はあるだろうか.

この羽田の国際線.なによりも“24時間オープン”が特徴.深夜早朝時間帯には,アジア諸国だけではなく,米国やカナダ,欧州各国からの便が発着する予定という.
 鉄道との関係でいえば,京急電鉄の駅こそ地下2階だが,モノレールの改札は出発ロビーと同じフロアにある.中部国際空港に続いて日本国内では2番目の快挙といえようか.それから,国内線ターミナルビルとの間を移動する客は,運賃を無料にするという.どのような仕掛けで実現するのか,開業後に試してみたくなるアイデアといえよう.

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広々とした展望デッキ.金網の所々には,わざと穴を大きくした部分がある.ご覧の通り,カメラのレンズを通すためのサービス.世界各国の空港で同じような配慮を見ることができる.鉄道の跨線橋などで,このような計らいをしてくれる事業者があってもいい.

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モノレールは,これまでのルートを変更して,新ターミナルに“立ち寄って”いる.沖合い移転に続く,同社2度目の線路付け替えとなった