今週は久し振りに新造車輛のお話し.
最初は京急新1000形10次車.車体の材質をアルミ合金からステンレス鋼に変更して,世の京急ファンに大衝撃を与えた6次車が登場してから早や3年.このグループは順調に数を増やしつつあり,つい先日,“初代1000形はまもなく引退します”と,正式にアナウンスされるに至った.京急といえば,初代1000形が永遠に走り続けるのではないかと思っていた(ホントか?)だけに,ひとつの時代が終わるのだと実感させられることであった.
 さてその初代1000形に引導を渡すことになるのが,今回登場した第10次車.外観的には6~9次車とほぼ同じながら,車内では“映像情報配信装置(京急ではトレインビジョンと称している)が,各側扉の上部に取り付けられ,鴨居部には扉の開閉時に赤燈が点滅するようになった.乗務員室ではモニタ装置が追加されるなどの変化がある.

477-1
京浜急行新1000形10次車の外観.今年度は28輛の増備が予定されており,その中には4輛編成も含まれている.

477-2
客室.画面左上,側扉の上にみえるのがトレインビジョン.17インチワイド液晶を使っている.

公開されたのは6月5日だが,この日はその他に,同社の電動貨車デト17と18も披露された.これは,初代1000形の引退に伴い,これまでの制御装置では救援車としての機能を果たせなくなるので,1500形の制御装置インバータ化にともなって発生したチョッパ装置一式を移植したものである.運転室のマスコンとブレーキ弁は横軸式のワンハンドルとなり,外観では床下機器と台車が一新され,パンタグラフはシングルアームに,前照燈は角型1燈にと,事業用車としては異例の最新モードに変身していたのであった.

477-3
面目を一新したデト17とデト18(手前).シングルアーム付の無蓋電車.模型のフリーランスも顔負けの変身ぶりである.

続いてはJR東日本山手線のE231系新4扉車.昨日撮影したばかり.
 どういうことかといえば,ホームドア導入に際して6扉車は都合が悪く,新造されてからわずか5~6年というのに,2輛の6扉車を4扉車に取り替えるというもの.すでに春から置き換えは急速に進んでいて,乗車した読者も少なくないことだろう.
 この2輛の4扉車には特異な点が数多く存在するのだが,その最大のポイントは,10号車に組み込まれるサハE231-4600番代の側窓.11号車寄り車端部の側窓が2分割されているのである.“将来,先頭車改造するのだろう”とかなんとか,みんなで想像を逞しくしているわけだが,さて,真相はいかに.

477-4
10輛編成である京浜東北線のクハと側扉位置を揃えた結果としての側窓分割らしいが,なんとも奇想天外なデザインとなったもである.