211系特集の取材では,岡山にも久し振りに出向くことになった.211系の“ゆめじ”はこのところ出番が少なく,213系は数が少ない割にバリエーションが多くて,しかも運用範囲が広いものだから,細部の撮影には苦労させられた.種々の情報から運用表らしきものを作り,それを元にして,使用編成を追い求めるという,昔ながらの取材方法となった.“ゆめじ”はJR西日本の広報と岡山電車区の皆さんの手を煩わさせて撮影させていただくことになったが,最終的には“ゆめじ”の屋根上と,213系3輛編成グループのうち,唯一クハ+クハ+クモハという編成を捉えることができなかった.ちょっと心残り.

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混雑時には213系2連×3組の6連を見ることができる.編成の全部に運転室が付いているというのは,見た目が豪華.JR東海で213系5000番代を3組使って6輛で運転されている朝の上り快速とともに,特筆すべき運用だろう.

さて,213系の写真の多くは岡山駅での撮影となった.この岡山駅,基本的な位置は昔と変らないとはいうものの,山陽新幹線の開業で駅本屋は新築となり,近年,再び大規模な改良が行なわれて,なんと橋上駅となった.この改良工事ではホームの整理も実施されたというので,往年のイメージは一変したものと思っていた.ところが,である.

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2番線から見た3番線.番線こそ変更になっているものの,電化前の岡山駅の面影が100%残っているではないか.そして,上屋を支える柱は,古レール.

古レールは,丹念に観察している余裕はなかったけれど,2番線では1889年のバーロウ(発注社名がSTKとある.山陽鉄道だろうか)と1887年のカンメル(発注者は鉄道作業局)を,3・4番線では1893年のBV(=ボルコウ・ホーン.発注者は日本鉄道)を読み取ることができた.ついでに,3・4番線の上屋の柱には,“旅客上屋4号 昭和12年11月”という財産票が貼られていた.

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天地がほぼ逆転している上に,ウェブ上での解像度では判読しづらいだろうが,山陽鉄道が発注したと思われる1889年の英国バーロウ赤鉄鋼会社製レール.

岡山駅の旅客上屋は,流石に大幹線の要衝だけあって,極めて大掛かりで,しかもデザインは意匠性に富んでいる.その全貌は改めて機会を得たい.

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3・4番線ホームの櫛桁部.柱の下部に継ぎ目板があるのは,電化の際に上屋全体を1メートルほど持ち上げた痕跡だという(宇田賢吉さんの記述による).