今年に入ってから,なぜかあちこちで撮影の機会が多い.
ある時ある友人に“まるでカメラマンみたいだぁ”と冗談めかして言ったら,まったく通じずに“仕事でしょ”と,あしらわれてしまった.
 さてその撮影の目的はさまざま.確かに仕事ではあるのだから,目的以外の列車や出来事については,撮りたくてもちょうどその時刻を移動に充てなければならなかったりで,涙を飲むことになる.そこまでいかなくても,待ち構えているポジションからは,とても絵にならないようなことも少なくない.
 それでもできるだけ記録しようと努力しているのが貨物列車.ごく一部を除けば地味な存在であるし,ましてや,牽引機はともかくとして,後ろに続く荷物については,顧みられることが少ないから.
 そうやって記録していて気づかされるのは,いわゆる車扱いの列車が,この10年間でほぼ全滅してしまったことである.
 例えば,かつては大宗貨物のひとつであったセメントが,ほぞ全滅してしまった.今もなお走っているのは三岐鉄道からの四日市港行きだけではなかろうか.
 大宗貨物といえば,紙もそうである.10年ほど前までは東京都内でもというか,飯田町に紙の流通センターがあって,お壕端をワム80000の紙列車が頻繁に往来していたものである.こちらは鉄道輸送がなくなったわけではなく,多くはコンテナに置き換えられただけで鉄道輸送そのものは健在なのだが.もっとも,飯田町はコンテナ化に地上施設が対応できずに消滅し,今ではJR貨物の本社社屋と化している.今でもワム80000で紙を輸送してるのは,新潟県の北越製紙と愛知県春日井市の王子製紙,そして吉原の日本大昭和製紙……正確には岳南鉄道の比奈が最寄り……ぐらいになってしまった.
 化成品もこの数年で急速にコンテナ化された.実質的には,先日の春のダイヤ改正でほぼ全滅したともいわれている.
 もちろん,コンテナ列車にもそれなりの楽しみはあって,機関車の後ろに続くコンテナ車に積まれたコンテナを観察するのも,今では習慣となった.コンテナ車も,今では主力となったコキ106に加え,コキ107も増えつつあるし,数の少ないコキ200が組み込まれていたりすると,嬉しくなってしまう.コンテナそのものも,いずれは色や形やレタリングの違いを眺めていると飽きないものである.
 とはいえ,やっぱり車扱いの列車が目の前に現われたら,ポジションも構わずにシャッターを切ってしまうことになる.今回の最後にお目に掛けるのも,そのひとつ.関東地方の一部ファンには“安中貨物”と呼ばれて親しまれている常磐線と高崎線の列車である.
 車扱いの存続は,石油輸送を除いてあきらめるとして,せめてコンテナ化されでも鉄道貨物輸送が存続し,拡充されることを願いたい.

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E259の屋根上を撮るべく待ち構えていた陸橋で出会った,ポリカーボネート専用のタンクコンテナ.航送用コンテナは,国鉄…JR貨物形式がつかないことが多いので分類が難しく,ちょっと苦手.

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こちらは同じような枠付のISO規格コンテナでも,ちゃんと(?)UT10C-5108という,お馴染みの形式がつけられている.荷物は液化塩化ビニル.載っているのは最新鋭のコキ107.

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EF81 85が牽く“安中貨物”.続く貨車は,今や貴重品となった,石油以外のタンク車タキ15600.通過時刻を間違えて覚えていて慌てて撮ったものだから,ポジションも露出もひどい写真となった.露出はデジタル補正でなんとか…….

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編成の後尾には,JR貨物ではもう新製しないからといわれて東邦亜鉛が自前で用意することになったとされているトキ25000の私有版が連なっていた.