このところ山手線各駅の駅名標に変化が…….
 なにがどう変ったのか…アルファベット二文字と二桁の数字を記した新表示が増えていた.私鉄では既に実施されている“駅ナンバリング”である.
 最初に目にしたのは8月下旬の目黒駅と原宿駅.というか,8月20日に目黒駅での駅名標掛け替え作業が報道公開され,その模様がインターネット・ニュースサイトなどに掲載されていたので,気にしていたのだった.
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目黒駅ホームの駅名標.この駅は“JY22”なのだそうだ.ひとつ北側の恵比寿が“JY21”ということは,東京駅を起点とした山手線が“JY”で,反時計回りに付番されていることになる.

JR東日本からは4月6日付けでニュースリリースが発表されていて,山手線のみならず,東京駅を中心として北は大宮と取手,西は高尾,南は久里浜,東は千葉の範囲で実施するとのこと.
 そして8月4日付けで東京支社から“8月20日初電から”という発表があったのを受けての変化ということになる.
 それによれば,線区別というよりは運転系統別に付番されているようで,例えば京浜東北線はJK,中央快速・青梅・五日市線はJC,常磐線快速がJJとなる.ちなみに東海道本線はJT.このあたりまでは“ふむふむ”なのだが,中央・総武線のJB,京葉線のJEあたりになってくると,ちょっと頭をひねらなければならなくなる.そして常磐線各駅のJL,鶴見線のJI,埼京線のJAまでくると,理解できるには相当の時間を要する…….
 もちろん担当者が知恵をひねった末の付番であるのは,充分承知の上のことだが.できれば早いうちに“種明かし”をしておいたほうが,のちのちに貨車の“ムラサキ”や客車の“コホナオスマカ”のように由来が不明で諸説紛々にならなくてよいと思う.
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原宿駅といえば,8月22日の午後,隣接する明治神宮神域の樹木が線路側に倒れ込んで山手線が夜遅くまで不通になるという椿事があった.その翌日に降り立つ用事があったわけだが,痕跡が生々しく残っていて,僕以外にもカメラ…カメラ付き電話機というべきか?…を向ける人多数であった.


余談はさておき,この二文字のローマ字,あと一文字足せば,たとえば京葉線は終点蘇我近くに立地する鉄鋼メーカーの頭文字になるし…などと思っだのだけれど,主なターミナルである21の駅には個別に3文字のコードを与えている.まるで世界中の航空会社や空港のように.筆頭である東京のTYOは万国共通だろう.新宿はSJK,横浜はYHM.大宮のOMYは大宮工場の略称であるOMに通じるところがあって,僕たちには馴染みやすいかも.一方で大崎のOSKは,将来の(?)大阪と混同されるかも…でも,大阪は国鉄電報略号のオサからOSAになるだろうか.飛行機での,世界の都市コードもそうなっているし.
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そして,多くの人が微笑んでしまうだろう駅が,秋葉原.ご覧の通りアイドルグループの,そのまんまAKBとなった.写真は山手線+京浜東北線のホームだが,写っているのは山手線のE231だが,表示は京浜東北線のJK28.山手線に面している側はちゃんとJYと記されている.ただし数字は03.
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中央・総武線ホームでは,JB19というのが秋葉原駅の番号.同じ駅で幾つもの番号が存在することになって,かえって混乱する…というのが,三文字コード付与の理由なのだろう.


さて駅名標.レイルではNo.92で西 和之さんが国鉄時代最終期の芸備線の記録を披露してくださっているが,ちゃんとした記録というのは,なかなか見かけることがない.そこで,というわけでもないのだが,10月に発売予定のNo.100(!)では,高見彰彦さんの丹念な調査による,駅名標の考察が発表されることになっている.乞うご期待!