10月13日のここで,秋葉原にあったとんかつ屋さんの閉店をお知らせした……わけではなくて,古レールの話題の添え物として,である.
 その時,久し振りに秋葉原から湯島の外れにかけてのエリアを周回することになったのだが,改めて観察してみたのが,本日のお題.
 件のとんかつ屋さんは秋はバラ的の北西側,中央通りの西側…かつてはジャンク屋街と呼ばれていた一角にあったのだけれど,そのまま少し北上して蔵前橋通りにぶつかった東側が末広町の交叉点.その一角に,おととしの12月までで,おでんダネの店があった.店の名前は構 雄造商店.かまえゆうぞうしょうてんと読むのだそうだ.年末には正月用食品も扱っていたようなのだが,僕が秋葉原へ出向くタイミングと我が家での夕食のスケジュールが合致せず,ついにここの商品を口に入れることがなく,終わってしまった.
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元の構 雄造商店.閉店後もしばらくは金文字の商標が掲げられていたのだけれど,今ではそれも外され,シャッターには落書きが.
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交差点から見た同店.両側をビルに挟まれて,本当にどこにあるのか,わからない.大正初期からこの場所で商いをしていたらしい.いわゆる“看板建築”だと思うのだけれど,いつごろの建物なのだろうか.

ビルに挟まれた家屋というのは,東京に限らず存在するものだが,この光景に刺激されて,界隈を一巡りした結果,ストラクチャーファンには興味津々の情景がたくさん見つかった.
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最初は湯島中坂下の近く.2軒続きの2階建.一方は角地で,反対側のとなりは空き地になっているから,元の構 雄造商店よりはショックが少ない.空き地側には同じような家屋があったのに違いない.

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少し南へ下って湯島中坂下交叉点の北西側にある建物.ここも元は商店だったのだろうか.角地ではないが,それが却って,驚きを増す情景が演出(?)されている

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交叉点の西は,まさに中坂と呼ばれる通り.画面右端が上り坂になっているのが判るだろう.そこにあった2階建.ぐっと近代的ではあるものの,もっと高層のビルに囲まれてしまったことに,違いはない

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そして本日の極め付けは,箭弓(やきゅう)稲荷大明神.交叉点を,今度は東に入ったところ.幟がなければなんの建物か判らない.よく見ると鳥居があり,狐様が鎮座しているという仕掛.社殿は建物の中ということか.

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建物を通り抜けた青空の下に社殿はあった.手水舎は屋根の下.“再建50周年記念修復事業”の奉納者名板に昭和54/1979年の日付があるから,昭和4/1929年に甦ったお宮さんということになる.


この神社,ものの本ならぬ,もののインターネットに拠れば,江戸時代初期の創建と推定されているという.明治期には一時的に荒れたものの再興され,関東大震災で罹災したのを昭和4/1929年に再建したとある.本社は東松山にある同名のお宮さんだということ.ただ,祭神に不整合があって…となってくると,話が拡散する.

トロリー・レイアウトの添景に,おひとついかが? というところで,本日はここまで.