私を含め一般の人々は福島原発が起こした問題、これから起こすであろう事象を正確に捉えたり、予測することは困難です。

できることといったら、今まで蓄えた自分の中の常識と照らし合わせ、嘘くさい情報と信用がおけそうな情報を選別し、冷静な判断と行動を取ることぐらいでしょう。すべてにおいて大切なのは自分の中の常識です。世間様の常識とはズレが生じることがありますが、最後は自分の常識により行動したほうが後悔が少ないと思います。その常識を歪めないためには見聞を広め、つとめて一部の情報だけに踊らされない努力が必要でしょう。

NHKや民放各局に出てくる原発の専門家は概して「放射線量はごく微量でただちに影響はない」といった旨のコメントをしますが、本当にその情報だけで安心して良いのでしょうか?

よくレントゲンや、CTよりも値は低いなんてコメントが出ますが、1回の被曝量は大したことなくても、それを毎時1回浴びていれば、たとえば胸部X線(1回あたり0.4mSv)の場合、約1ヵ月で300mSv(ミリシーベルト)になります。これはかなり深刻な数字です。我々が連続して被曝している量はそれらに比べれば確かに大したことないかもしれませんが、レントゲンと比べて何の意味があるんでしょうか?私にはごまかしにしか見えないのですが。

もう原発近隣は住むのに適していないのは明らかです。農作物もしばらくは無理でしょう。日本人は忘れっぽいところがあるので、地元住民への同情から、規制を緩和して住むのもOK、野菜を作るのもOKなんて動きが出なければと心配しています。それとこれとは問題が別です。少なくとも原発により高濃度に汚染されたエリアは数十年放っておくしかないでしょう。うやむやにすれば人々の染色体が意味もなく傷つけられるだけです。今の日本は我々だけのものではありません。子孫のために出来る限り良い環境を残してあげるのも重要な使命です。目に見えないものですから、うやむやにしたくなるでしょうが、ここは毅然と放置するしかない。住民たちへの補償は今後大きな課題となるでしょうが・・・

また、福島県産の農作物が売れないという情報があります。福島県というのは行政区分でしかありませんから、結果風評被害に遭うエリアもあると思いますが、売れない現象すべてを風評と断ずるのは行き過ぎです。福島のどこか分からないものはできるだけ摂取しないのはごく自然な行動です。それを避けたいならどこ地方とか明記すべきでしょう。そこからの判断は消費者に任せるしかありませんが。

核反応によって放出された放射性物質は半減期(消えるわけではないですよ)が30年以上というものが多く、まず東日本人にとっては長いつきあいになる厄介者です。外部被曝・内部被曝双方を10年・20年を通してどれだけ浴び続けるかは未知数ですが、初期の大量飛散(過ぎました)→小康状態(全国の放射能濃度一覧の値を見ると今の東京は沖縄の約5倍の放射線量が安定的に測定され続けています)→収束へ(来ると良いのですが)というプロセスの中で、今神経質になるのは当たり前。これから徐々に放射線量は減っていくでしょうが、もう何度か大雨が来なければ、なかなか線量は減らないでしょうね。事故前の数値に戻る頃には私は生きていないかもしれません。ですから小さなお子様がいらっしゃる家庭は軟水のミネラルウォーターを取るようにするのは良いことだと思います。

最後に以前、つけたりうぇぶで団長様も触れていましたが、武田邦彦先生のブログをリンクしておきます。直接リンクは避けますので、頭にhを追加してください。一般マスコミと対比しながら読むと興味深いと思います。どの情報にも一定の距離を置き、あくまで自分の中の常識に問いかけてみてください。

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