21日に月刊『とれいん』の6月号(No.426)が発売になります。今号の特集は・・・
“ザ・凸電”東芝戦時形 ~私鉄を彩る混乱期の落とし子たち~
です。先日、天賞堂から“東芝40t標準凸型電気機関車”シリーズが発売されました。これは戦時中に製造された東芝の40t標準型を製品化したものです。ファンの間ではいわゆる“東芝戦時型”と呼ばれているものですね。これは様々な私鉄に納入されているため、ご存知の方も多いでしょう。今月号ではその発売に合わせて実車の現在、かつての勇姿、解説や、製品の遊び方や加工例なども加えて紹介してゆきます。
さて、東武ファンの私ですから、東武に渡った凸電の話を少し・・・
東武鉄道では海南島に行く予定だったものを2輛を引き受けています。終戦で納入先を失ったためで、のちにED4010形となりました。古い写真やビデオを見ていると、本線上を走っている姿が残っていますが、30代後半の私は残念ながらそんな記憶はありません。専ら杉戸や千住の貨物線で入換作業をしていた事を覚えています。
私が小学生の頃、東武線はまだまだ貨物天国で、本線上をED5060形やED5080形、数は少ないながらED5010形などデッキ付電機が頻繁に走っていました。その中に紛れ込んだ数少ない“凸電”でしたから子どもにはとても奇妙に映りました。しかし、チョコレート色のボディに警戒塗装のフロントビーム、そして赤地のナンバープレートという出で立ちは間違いなく東武電機の一員です。いつの間にか、そのスタイルの虜になった私は千住の親戚の家を訪ねては、1日中ED4010形(もしくはED4020形)を眺めていたものです。
そんな経緯を持つ私ですから、今回の製品化がアナウンスされた時は興奮しました。しかも東武バージョンもやるということ。しかし、少し気がかりなことが・・・
「あの独特の台車(FS29)は表現するのだろうか?」
これはさすがに無理だったようです。また、2燈シールドビーム(ブタ鼻)や四角いテールライト、特徴ある避雷器等かなり東武の特徴は捉えていますが、一方で左の妻窓(正方形)の形状や側窓(Hゴム化)は再現されていません。そこで製品名もタイプとなっているのです。これはプラスティックで製品化する場合、諦めざるを得ない部分だと思います。私にとっては、これほどのマイナー形式がプラで製品化されること自体がいまだに信じられないのですから。
ただ、やはりあの特徴ある台車は何とかして欲しかったなぁ・・・と思っていると、なんとオレンジベージュ企画(発売:モデル ワム)で台車が発売されるとのこと! しかも割と簡単な加工で装着できそうです。そこで、今回の特集に合わせ、加工装着する記事を掲載させて頂きました。下の写真は加工後の姿です。パンタグラフもフクシマ模型のPT42Lに換装してなかなか良い感じです(写真ではパンタはカットされています。すみません)。
往年の千住貨物線が思い浮かびませんか?京成上野線の築堤の下をくぐるED4010形の姿を・・・
模型を前に少年時代の興奮が甦ります。大満足!・・・なのですが、少し気になることがあります。いつか東武仕様にしてやろうと購入しておいた中村精密のED29のキットはどうしましょう?
いや、これもいつかはチャレンジしてみようと思います。いつかね・・・(遠い目)