今回は“モスキート音”を利用したオモチャを紹介します。

音波の可聴範囲というのは個人差こそありますが、おおよそ16~18キロヘルツほどだそうです。それ以上はいわゆる“超音波”です。JISでは人間の可聴範囲以上の弾性振動波のことを指すそうです。人間は年齢とともに高周波の音が聞こえづらくなります。その特性を活かし、17キロヘルツ以上の音波を出し、若者にだけ聞こえる超音波すれすれの音が“モスキート音”と呼ばれるものです。

これはイギリスの企業が、公共で迷惑行為を行う若者を追い出すためのブザー装置として開発したもので、若年層には非常に不快な音が鳴り続けるため、居たたまれなくなります。それ以外の人間には何も聞こえないため、若者だけをピンポイントで追い払うことができるのです。日本では足立区の区立公園で試験的に導入したのが有名ですね。あまりに大々的に報道されてしまったため、逆に興味半分の者が集まり、最後には装置自体が破壊されてしまいましたが・・・

さて、このモスキート音、気になりませんか?つまり自分はそのモスキート音が聞こえるかどうかです。特に20~30代の人間には気になるのではないでしょうか。私は30後半で“アラフォー”に近づいてきましたが、それでもモスキート音が聞こえるのか気になります。

そんな心理をついた製品が、エポック社から製品化されました。モスキートサウンド年齢予測マシーン“トシバレール”です。

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“トシバレール”パッケージ

これは写真を見れば、お分かりのようにスイッチが“ピチピチ10代”“イケイケ20代”“ギリギリ30代”“オツカレ40代以上”に分かれていて、私の場合はギリギリ30代が聞こえれば安心、イケイケ20代が聞こえれば嬉しい、10代は・・・ まぁ、図々しいかな。オツカレ40代以上が聞こえなければ落ち込むということになるのでしょう。

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装置は簡単、スイッチを自分の聞きたい位置にスライドし、下のボタンを押すだけ

いきなり何も聞こえないとショックなので、初めはオツカレ40代に合わせ、ボタンを押しました。すると「ピーーーーーーー!!」というかなり高音で不快な音がなりました。かなり音も大きく感じます。確かに頗る不快です。どのような不快音かというと、黒板に爪を立て「キキーーーー!!!」と音を立てるような、発泡スチロールを「キュッ!キュッ!」といわせるような音です。想像するだけで、頭のてっぺんが引っ張られ、歯ぎしりしたくなるでしょう?私の耳はオツカレ40代はクリアのようです。

次に試したのがギリギリ30代。スイッチをスライドし、ボタンを押しました。・・・ん、あれ?聞こえないなぁ。スピーカーをやや耳に近づけると、ああ!!聞こえました。「ピーーーーー!!!」音は小さく感じますが、これもかなり不快です。これはまさに耳鳴りのような音。みなさんの耳鳴りがどんな音かは分かりませんが、大きな音を聞いた後に「キーーーーーン」って耳鳴りがするじゃないですか?あんな感じでした。私には・・・

そして、イケイケ20代です。


・・・聞こえませんでした、全く。どんなに耳を近づけても聞こえません。静かなところで耳を澄ましているのにダメです。そのうち自分の脈が聞こえてきたのですが、それでもイケイケ20代は聞こえませんでした(涙) まぁ、年相応の結果で良かったのかもしれませんね。

因みに他の編集部スタッフにも試して貰いましたが、誰も30代までは聞こえるのですが、イケイケ20代が聞こえる人は殆どいませんでした。学生ヘルパーで一人だけいましたが、ちょっと悔しかったですね・・・ ええ、ちょっとだけですよ(笑) 唯一すべて聞こえない人がいましたが、その人は耳鳴りに悩まされているそうで、加齢とは別の問題ですね。あのモスキート音自体が耳鳴りみたいな音ですから。

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20代半ばの秋山嬢、イケイケ20代は聞こえないとか・・・

このトシバレール、税込みで924円で手に入ります。聴力検査にはなりませんが、パーティグッズとしては結構盛り上がれそうです。

ちなみに、他の個人サイトでは周波数を測定した人がいて、ピチピチ10代は測定できず、イケイケ20代は17kHz、ギリギリ30代は15kHz、オツカレ40代以上は10kHzだったそうです。やはり17kHzが成人の可聴範囲の限界のようですね。となると若者撃退のモスキート音は17kHz以上だそうですから、我々には聞こえません。ああ~良かった。ん、良いのか?